鉄砲


宇野千代さんの本を初めて読みました。

<行動することが生きることである>~集英社文庫~という随筆集です。

タイトルに惹かれて手に取ったのですが、第一印象以上に、心に、がつっとくる本でした。


宇野千代さん、著名な方だから、よくご存知の方も多いと思います。
私なんかは、名前は知ってるけど、、位で、小物の仕入れやなんかに行くと、きれいな和布の小風呂敷に<宇野千代デザイン>とか書いてあるのを見るな~なんてくらいで、あまり知らなかったのです。。

平成8年に98歳で亡くなられましたが、小説、随筆の第一線で活躍され続け、一方で<スタイル>というファッション誌を創刊したり、着物のデザインでも、多くの支持を集められた方なのですね。

本を読んでいただければわかるけれど、
ものすごいエネルギーのある方。気骨があって、ぴんと背筋がのびていて、確固とした芯のある方、それでいてユーモラスなのです。

以前に開かれた彼女の回顧展のタイトルが<書いた、恋した、生きた>だったようですが、なるほど!という感じがします。

ご結婚は4回されたようです。一流の文人や画家さんたちとの恋愛、結婚。あの時代には、なおさら少ない存在でしたでしょうね。

彼女が恋愛について語る時、<~というのが恋愛の武士道である>という言葉を好んで使われたようですが、これまた、ぐぐっときちゃいます。<恋愛の武士道!>。

紫

私の読んだ本は、88歳のときに書かれたもの。

なんかね、背中を<しっかりしなさい!>とたたかれる感じがしますし、なんだか、読んでて楽しくなって、パワーが湧いてくるのです。


本の目次から抜粋して、紹介しますと

*感動は行動に結び付き、人生を愉しくする
*熱中する、夢中になる、何かが生まれる
*自慢は自分を救う最上の方法である
*褒めること、喜ばせることが人間関係の基本である
*健全な肉体は健全な心がつくる
*確信は自分の心にかける暗示によってつくられる
*お洒落は生きて行く上の生き甲斐である
*愉しんでする仕事は続く、疲れることがない
*上手になると言うのはひたすらに続けてすることである
*人生は死ぬまで現役である、老後の存在する隙はない


特に私の好きな箇所、ご紹介しますね。


~自信は成功の鍵である~という編から。

 世の中には、よく、自分のことを、『あたしはこんなに肥っちょだから、白いきものを着るとなおのこと、豚みたいに見えるのよ』とか、『あたしはこんな、にきびだらけの顔してるから、きれいなきものを着ると、却って、お化けみたいに見えるのよ』とか言って、わざわざ、それほどでもない自分の欠点を言い立てる癖の人があるでしょう。そんなことを言われると、聞いている人は、気持ちの好いものでしょうか。私はどっちかと言うと、『あたしは肥ってるけど、平気で白っぽいきものを着てるのよ。何だか、その方が却って、ふっくらして見える、と、そう思ってるのよ』と言う風に、多少は、自惚れてるような言い方をする人の方が好きです。おかしなことですね。自分で自分のことを、白いきものは似合わないとか、これこれだから、私は駄目だとか言って、くさす人は、人の眼にも、くさした通りの印象を与えるものなのです。
 みなさん。みなさんは、ぜひとも、この私のように、皺や汚点(しみ)が出来て、梅干しのようなおばあちゃんになっても、、『おや、何だか、ウ゛ィナスのようだわ』と、自分の心の中で、内証で、お思いになるように、と、おすすめする訳です。


すごく、楽しくありませんか?私、この

『おや、何だか、ウ゛ィナスのようだわ』

すごく気に入っちゃいました。素敵なフレーズです♪
みなさん、明日から、これですよ、鏡をみたらね♪


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