昨日入荷してきたワイン色のバラ、ブラックティ。
スタッフたむちゃんが<ブラックティってきれいですね>
そうよ、きれいなの。まだ、私がたむちゃんよりちょっと年下だった会社員の頃に、大好きなこのバラにまつわる思い出があります。
その頃は、雑誌<花時間>でも、このブラックティやジュリアといった微妙な色のバラが、おしゃれな花の代表格として、よく紹介されていました。
その時、会社では役員の交替で、5人の方に朝礼でお花をお渡しすることになっていました。一人1万円の予算。花の手配をすることになっていた私は、それぞれの方のイメージを、お花屋さんに伝え、うち3つは希望の花材をお伝えしました。
一つは、バラのブラックティ。おしゃれなな部長さんだったので、お似合いだわ!と思って。
もう一つは、こともあろうか、ユーチャリス。これはよくブライダルで使われる、純白のそれは美しいお花で、とっても高級花です。たいていは花に、ほんの少しだけ茎がついて、一輪一輪綿に包まれ、箱にていねいに固定され、出荷されてきます。とても繊細で傷つきやすいお花です。プライスはうちの店で一輪1500円~2500円くらい。茎つきのもので、ごく時々、数百円でお売りできる時もありますが、茎付きのものは、輸送の途中にお花が傷ついたりしてしまっていることもあります。そう、そんなに高級だし、茎がほとんどない状態で出荷されることの多いお花でもあるので、花束にはいれにくい。(写真は生徒さんの作ったウエディングブーケ)
何日か前にお願いしたお花屋さん、電話にでた女性は<わかりました>とメモを取ってくれたので、私の期待はふくらむばかりでした。
もう一つは何を指定したか忘れましたが、花束をお願いした前日の夕方、3つとも入りませんでしたと連絡。どんな花束かとっても楽しみにしていた私にとっては、かなり、がっかりの巻でした。
今思えば、私の要望(ユーチャリスを花束にいれる?)などは、花屋さんの常識的にペケ!。多分、なんか困ったちゃんから注文来たなーって感じだったかも。でも、花屋さんも<入りませんでした>ではなく、その前の時点で<これは、こういうお花で、花束用に注文して制作するのはむずかしい>とか<このバラは、入荷の約束はしにくいので、無かった場合は、他のバラでしたら何色がいいですか?>と教えてくれるべきかなーとは思います。
ちなみに、ブラックティがなかったかわりに、その日入荷していたグロリオサを指定しました。今はだいぶ値段もこなれましたが、当時はやはり高級なイメージで、個性的な雰囲気のお花です。と、こ、ろ、が、、、!あとで、そのおしゃれな部長さんに<俺だけ彼岸花か>と言われたんです~!ショック。<えええー違いますよ!これは、おしゃれなイメージのお花で、、>とは申し上げたものの、ちょっと苦い思い出です。
グロリオサの赤は、少し入った黄色も華やかで、花束に入れると豪華な感じ。花持ちもいいし、うちの店でも人気あります。が、ごく時々ですが<それは彼岸花でしょ。入れないで>と言われることがあるんですよ。ヒガンバナ科ではないんですけれどね。
うーん、思い出から得る教訓?としては、
1、花屋の常識と、お客様の常識には ずれがあることを忘れずに。
2、お客様のお花に対する気持ちを大切に汲み取りつつ、できること、できないことは、状況を踏まえてきちんとお伝えする。
3、お花は、こちらが素敵と思っていても、相手には理解されないこともある。ただ、そう受け取られるお花には、傾向があるので、それを捉えておくこと
4、そして、やっぱり、贈り手も、贈られた人も、いっぱい喜んでもらう花束を!
それが、花屋である私たちの喜びであるのです!
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